
求人を探していて、ジョブメドレーの看護師求人にたどり着いた人は多いと思います。
ジョブメドレーの口コミを調べると、「返信が来ない」「スカウトが的外れ」といった声が目につきます。一方で「電話がしつこくないのが良かった」という評価も多い。どちらも本当です。
ただ、その理由まで説明している記事はほとんどありません。理由は単純で、ジョブメドレーが求職者から見える顔と、施設側から見える顔がまったく違うからです。
私は神奈川県の病院で看護師の採用を担当していて、ジョブメドレーの管理画面に毎日ログインしています。その前は、看護師転職サイトのコーディネーターをしていました。
この記事では、応募ボタンを押したあと施設側の画面で何が起きているのかを含めて書きます。口コミの現象面ではなく、そうなる仕組みのほうを。
ジョブメドレーは求人サイトではない

まず、いちばん誤解されている点から。
ジョブメドレーは株式会社メドレーが運営する、医療・介護・保育分野の求人サービスです。看護師・准看護師向けの求人は4万件以上。求人検索とスカウト機能があって、見た目は普通の求人サイトです。
しかし施設側から見ると、これは成功報酬型の求人広告です。
掲載は無料。費用が発生するのは、ジョブメドレー経由で採用が決まったときだけです。看護師の常勤ならおよそ60万円、非常勤で30万円ほどが施設から支払われます。

求職者にとっては無料でも、施設にとっては1人60万円の広告なんです。

エージェント型(レバウェル看護、看護roo!など)は年収の20〜30%が相場なので、年収450万円の看護師なら90万〜135万円。それに比べれば60万円は安い。ただし返金規定は厳しく、ジョブメドレーは初出勤日を含めて30日を過ぎると1円も返ってきません。エージェント型なら3ヶ月以内の退職でも半額程度が戻ります。
施設は「60万円を払い切りで確定させる相手かどうか」を、応募の時点から見ています。この一点が、口コミに書かれているほとんどの現象の原因になっています。
スカウトが届く人、届かない人
ジョブメドレーの目玉機能がスカウトです。プロフィールを登録しておくと、施設から直接オファーが届きます。
私も送る側です。誰に送っているかを書きます。
まず通勤圏内であること。ここは絶対条件です。そのうえで、常勤で働けるか、シフトの制約が少ないか、経歴に不自然な空白や短期離職の連続がないか、を見ます。

正直に言うと、60万円を払ってでも欲しいと思える人にしか送りません。
これがジョブメドレーのスカウトの本質です。無料の直接応募なら「とりあえず会ってみるか」と思う相手でも、ジョブメドレー経由だとその判断にはなりません。採用が決まった瞬間に60万円が動くからです。
だから、非常勤希望の人、勤務可能日数が少ない人、シフトに制限が多い人には、スカウトはあまり届きません。届かないのは、あなたの看護師としての価値の話ではなく、施設の予算の話です。
逆に言えば、スカウトが大量に届く人は「60万円払っても惜しくない」と判断されているということでもあります。

とはいえ、時間が空いたときにまとめて送っている採用担当も多いです。ラッキーぐらいに受け取ってください。
文面を見れば区別はつきます。あなたの経歴の具体的な部分に触れていれば、個別に読んで送っています。定型文なら一括送信です。
「訪問看護はNGにしているのに訪問看護からスカウトが来る」という口コミも見かけます。これは施設側が条件を確認せずに送っているだけです。
スカウトを増やしたいなら、プロフィールのここを直す
採用担当がプロフィールのどこを見ているかは決まっています。逆算すれば、書くべきことは絞れます。
居住地と通勤可能な範囲。ここを空欄にしていると、その時点で検討から外れます。最初に見るのが通勤圏内かどうかだからです。「◯◯線沿線なら」「車で30分以内」まで書いてあると、施設は判断できます。
経歴の空白期間。理由が一行あるかないかで印象がまるで違います。療養、育児、進学、家族の介護。事実を短く書いておくだけで、こちらは勝手な想像をしなくて済みます。
希望条件は、できることよりも「できないこと」を書いたほうが精度が上がります。夜勤の可否、オンコールの可否、行きたくない診療科。的外れなスカウトが減り、本気度の高いオファーが残ります。
ジョブメドレー経由だと選考で不利になるのか
ここは書くかどうか迷いましたが、書きます。
条件に制約がある人ほど、ジョブメドレー経由の応募は選考ハードルが上がります。
同じ経歴・同じ条件の人が2人いて、片方が病院の採用ページから直接応募、もう片方がジョブメドレー経由で応募してきたとします。後者を採用すると60万円かかる。この差は判断に影響します。しないと言ったら嘘になります。
これは人材紹介会社でも同じ構造です。ただし紹介会社にはコーディネーターがいて、条件が厳しい候補者でも「この人はこういう事情があって、こう活躍できる」と施設に説明し、調整してくれます。

ジョブメドレーには、間に入って弁護してくれる人がいません。
書類がそのまま届いて、そのまま判断される。エージェント経由の書類はコーディネーターが仕上げているので完成度が高く、直接応募の書類は内容が薄かったり誤字があったりすることが珍しくありません。その差もそのまま出ます。
だから、勤務条件に制約がある人や、経歴の説明が必要な人は、まず施設の採用ページを探してみてください。無料の応募経路なら、施設は会うことのコストを気にしません。ジョブメドレーは求人を見つけるために使い、応募は公式サイトから。この使い方は十分に成立します。
これはジョブメドレーが悪いという話ではなく、成功報酬型という仕組みがそうさせているという話です。

「返信が来ない」の本当の理由
ジョブメドレーの口コミで最も多いのが、応募したのに返信が来ないというものです。施設のやる気がない、と受け取る人が多い。
半分は当たっていますが、半分は動線の問題です。
ジョブメドレーから応募があると、まず採用担当のメールアドレスに「応募がありました」という通知が届きます。ただし、そのメールに返信することはできません。ジョブメドレーの管理画面にログインし直して、そこからメッセージを返す必要があります。

この一手間で、後回しになるんです。
病院の採用ページから応募が来た場合、通知はメールで届いて、そのまま受信箱で返信できます。だから即日で返せる。ジョブメドレーの応募は「あとで管理画面から返そう」となり、そのまま忘れられることがあります。
私自身、身に覚えがあります。悪意はありません。動線が長いだけです。
対処法があります。応募して3営業日を過ぎても返信がなければ、施設の代表番号に電話してください。「ジョブメドレーから応募した者ですが、届いていますか」と確認するだけでいい。採用担当は管理画面を開きます。順番が動きます。
失礼にはあたりません。むしろ、そこまで来たいと思っている人だと伝わります。それでも返信がなければ、その施設は採用意欲が低いか、対応がその程度の施設だということです。次に切り替えてください。
ジョブメドレーにブラックリストはあるのか
「ジョブメドレー ブラックリスト」で調べている人がいます。応募を辞退したら次から不利になるのではないか、という不安だと思います。
ブラックリストという機能は、少なくとも施設側の管理画面に存在しません。
ただし、応募履歴は残ります。

数年ぶりに応募してきた人でも、以前に応募があったことは丸わかりです。
管理画面には、その人が過去にいつ応募し、どこでやりとりが止まったかが残っています。面接の直前で連絡が途絶えた、返信をしないまま消えた。そういう履歴も含めてです。
名簿として施設間で共有されているわけではないので、他の施設に伝わることはありません。でも、同じ施設に再度応募すれば、前回の対応は見られています。「この人は前回きちんと対応してくれなかった人だ」という認識にはなります。
辞退そのものは問題ではありません。辞退は誰にでもあります。連絡をせずに消えるのが問題です。ひとことメッセージを送っておけば、残る履歴は「丁寧に辞退した人」になります。
それでもジョブメドレーが優れている点
ここまで厳しいことを書いてきましたが、ジョブメドレーには構造的な長所があります。
私がコーディネーターだった頃の話をします。人材紹介会社は、手数料率の高い病院に候補者を勧めることがあります。候補者の希望と少しずれていても、勧める。候補者は「プロが勧めるなら」と入職する。
そして早期に辞めます。

コーディネーターは味方であると同時に、営業でもあります。
ジョブメドレーには間に入る人がいません。誰も勧めてこない。自分で検索して、自分で読んで、自分で応募する。行きたくないところには応募しない。
だから、ミスマッチによる早期退職は起きにくいと思っています。実際、私の病院ではジョブメドレー経由で入職した人とエージェント経由で入職した人のあいだに、定着率の目立った差はありません。ただ、その手前の「入る前に自分で納得できているか」という点では、自分で選んだ人のほうが腹が据わっている印象があります。
電話がかかってこないのも同じ理由です。売り込む人がいないので、売り込まれない。夜勤明けに叩き起こされることもありません。まだ転職するか決めていない段階の人には、この距離感がちょうどいい。

向いている人・向いていない人

向いている人
自分のペースで進めたい人。 急かされたくない、電話が苦手、転職するかどうかもまだ迷っている。この段階の人にジョブメドレーはよく合います。
転職経験がある人。 履歴書の書き方も面接の流れも分かっているなら、コーディネーターの支援は必要ありません。
病院以外を探している人。 クリニック、訪問看護、介護施設、健診センター、保育園。エージェントがあまり力を入れない領域の求人が豊富です。
常勤でフルタイム、条件に大きな制約がない人。 スカウトも届きますし、選考でも不利になりません。
向いていない人
初めての転職で不安が大きい人。 書類の書き方も面接の受け答えも分からない状態でジョブメドレーだけに頼ると苦戦します。エージェント型と併用してください。
条件に制約がある人。 非常勤希望、勤務日数が少ない、シフトに制限が多い。施設の採用ページから直接応募するか、コーディネーターに間に入ってもらったほうが道が開けます。
給与や条件の交渉を自分でやる自信がない人。 ジョブメドレーでは自分で切り出す必要があります。
早く決めたい人。 自分で動かなければ何も進みません。

まとめ|ジョブメドレーは「求人を探す場所」として使う
ジョブメドレーは、求人を探すためのツールとしては優秀です。求人数は多く、検索条件は細かく、電話もかかってこない。
ただし、応募ボタンを押した瞬間に、そこは1人60万円の成功報酬が動く場所になります。施設はその金額を意識して、あなたの書類を読みます。

だから私は、ジョブメドレーは「求人を探す場所」として使うのが正解だと思っています。
気になる施設を見つけたら、まず公式の採用ページを探してみる。あれば、そこから応募する。なければジョブメドレーから応募すればいい。条件に自信がある人は、そのまま応募して構いません。
エージェント型と併用するのも有効です。ジョブメドレーで求人を見つけ、エージェントに「この施設はどうですか」と聞く。それだけで、得られる情報の質が変わります。




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