
転職活動始めたんだけど、面接で転職理由ってどう答えればいいのかな。正直に言っていいものなの?

転職理由って、何を言うかより『なぜうちの病院なのか』とセットになってるかどうかで印象が全然変わります。正直な理由を話してくれる人はいいですが、採用担当として『うちの病院で大丈夫かな』と思ってしまう転職理由も正直あります。

え、どんな理由がやばいの?

今日は実際に何百人もの面接をしてきた採用担当として、本音で全部話しますね。
看護師転職の面接で、必ずといっていいほど聞かれるのが転職理由です。
採用担当として正直に言うと、転職理由は「何を言うか」より「その病院を選んだ理由とセットで話せているか」で印象が大きく変わります。
スキルアップと答える人は多いですが、なぜその病院でスキルアップできるのかまで語れる人は多くありません。
一方で人間関係や「もう少しゆったり働きたい」と正直に話してくれる人もいます。正直さは好印象ですが、採用担当としてはそれだけで終わると不安になることも事実です。
- 採用担当が実際に聞いてきた転職理由のリアルなランキング
- 転職理由別に採用担当がどう感じているかの本音
- 「これはアウト」と感じた転職理由の伝え方

この記事では採用担当の視点でぶっちゃけます。
転職理由と退職理由、実は意味が違う
退職理由と転職理由、この2つを混同したまま面接に臨んでいる看護師さんは意外と多いです。

採用担当として整理するとこうなります。
退職理由:「今の職場を辞める理由」。過去から現在の話です。「夜勤が体力的にきつくなった」「人間関係がうまくいかなかった」など、現職への不満や状況がここに当たります。
転職理由:「次の病院を選んだ理由」。未来の話です。「退職理由で感じた課題を解決するために、次はこういう環境で働きたい」という前向きな動機がここに当たります。
面接でよく見るのが、退職理由だけを話して終わってしまうパターンです。「人間関係が辛かった」「残業が多すぎた」という事実は伝わっても、採用担当の頭には「で、なんでうちを選んだの?」という疑問が残ったままになります。

この2つをセットで語れる人は印象が違います。
「超急性期で、患者さんの回復後の姿を見れなかった(退職理由)。だからこそ、患者さんが回復して自宅に戻るまでのプロセスに関われる環境に移りたいと思い、御院を志望しました(転職理由)」
退職理由のネガティブな部分を、転職理由というポジティブな動機につなげる。このセットで語れるかどうかが、採用担当の印象を大きく左右します。
採用担当が実際に聞いてきた転職理由ランキング【本音編】

正直に言うと。転職理由は「どの病院に転職するか」によって変わります。
これはランキングを一概に決められない理由でもあります。超急性期の大学病院と、地域密着の中規模病院では、応募してくる看護師さんの転職理由がまったく違うからです。
私が勤めているのは二次急性期の中規模病院で、地域密着が売りの病院です。この病院への転職理由として多いのは大きく3つです。
1位:患者さんに寄り添った看護がしたい
三次救急や大学病院から来る看護師さんに多い理由です。超急性期では目の前の処置に追われ、患者さんが回復して自宅に戻るまでのプロセスに関われない。「在宅まで見られる環境で働きたい」「もう少し患者さんに寄り添った看護がしたい」という言葉をよく聞きます。
2位:急性期の基礎をしっかり学びたい
精神科や療養病院から転職してくる看護師さんに多い理由です。看護師としてのキャリアを考えたとき、急性期の基礎を身につけておきたいという動機です。三次救急ほどハードではなく、二次急性期でしっかり基礎から学べる環境を求めてくる方が多いです。
3位:ライフワークバランスを整えたい
給与水準や休日数を見て応募してくる看護師さんもいます。「プライベートを大切にしながら働きたい」という理由です。
これは否定しません。自分の生活をしっかり築きながら働いてくれる人材は、長く定着してくれる可能性が高いからです。
ここで大切なのは、転職理由は自分のキャリアを整理した上で作るものだということです。今いる病院から次にどういう病院に行くのか。その流れに沿って退職理由と転職理由をセットで語れると、採用担当の印象はぐっと変わります。
転職理由別・採用担当の正直な印象


採用担当が転職理由を聞くとき、一番頭にあるのは「この人はすぐに辞めないか」という一点です。
看護師を一人採用して戦力として育てるまでには、時間も労力もお金もかかります。転職理由を聞いて「うちの病院とミスマッチだな」と感じた瞬間、正直「長続きしないだろうな」というマイナスの印象を持ってしまいます。
逆に、自分のキャリアをしっかり考えた上で「この病院だからこそ転職したい」という理由を話せる人は、採用担当としてかなり好印象です。

では転職理由ごとに、採用担当の正直な印象をお伝えします。
人間関係が理由の場合
人間関係がうまくいかないことは、病院に限らず人が集まる場所であれば当たり前のように存在します。なので、この理由を話されても、そのまま評価を下げることはありません。

ただし、必ず掘り下げます。
人間関係がうまくいかなかった理由が、うちの病院に転職することで解消されるのかどうか。ここを確認するためです。
採用担当は毎年何百人もの面接をしています。話し方や応募書類、少し話せばその人がどんな人かはある程度見えてきます。
たとえば掘り下げると「ミスが多くてプリセプターに口をきいてもらえなくなった」「低評価をされてダメな子という扱いを受けてしまった」というケースが出てくることがあります。経験の短い看護師さんにはよくあることです。
ここで「扱いにくい人材なのか」とは思いません。根が真面目でしっかり仕事に向き合う気持ちがあると感じれば「うちの病院ならしっかり育てられる」という発想になります。
人間関係が理由の場合でも、自分にも至らなかった部分があると冷静に分析できているか、環境を変えればうまくいくと思っている具体的な理由を話せるかどうかが評価の分かれ目です。
うまくいかなかった事実だけでなく、その原因の自己分析と解決策をセットで話せる人は、人間関係が転職理由であっても十分に好印象になります。
給料・待遇が理由の場合
私自身は、働くことの対価としてお金をもらうのは当然だと思っています。給料を上げたいという気持ちに悪い印象はありません。
ただし、医療業界は体質的に古い部分が残っています。「給料を上げたいから転職しました」とストレートに言うのは、正直いいイメージを持たれないのが現実です。
さらに言うと、ある程度求人情報を調べたり転職サイトのコーディネーターに相談すれば、応募先の給料水準は事前にわかるはずです。
つまり採用担当からすると「給料が上がるとわかって応募してきているはずなのに、あえて転職理由として給料と言うの?」という引っかかりが生まれてしまいます。

給料や待遇を上げたいという本音は持っていていいですが面接では言い換えた方が賢明です。
たとえば「プライベートも大切にしながら長く働ける環境を探していた」「腰を据えて働ける職場に移りたかった」といった表現の方が、採用担当には素直に受け取られます。
スキルアップが理由の場合
転職理由として最も多く聞くのがスキルアップ・キャリアアップです。この理由自体は悪くありません。ただし中身が伴っていないと、面接でかなりのマイナスになります。

採用担当として必ず掘り下げる質問があります。
「うちの病院で具体的にどんなスキルアップがしたいですか?」「以前の職場から転職することで、何がスキルアップできると思っていますか?」
ここで答えに詰まってしまう人は、正直「面接で悪い印象を与えたくないからとりあえずスキルアップと言っているだけだな」と見えてしまいます。
好印象になる人は具体性が違います。「この分野でこういうことがしたい」「以前の病院ではこの経験ができなかったが、御院に転職することでそれができる」「将来的にはこういうキャリアを築きたい」という流れで話せる人は、スキルアップという言葉に説得力が生まれます。

スキルアップ・キャリアアップを転職理由にするなら、その言葉の中身を具体的に語れるかどうかが評価の分かれ目です。
夜勤・体力的なきつさが理由の場合

この転職理由は、応募先の病院や施設の形態によって受け取り方がまったく変わります。
私の病院は2交代制で、体力的に楽な職場ではありません。そこに「夜勤がきつくなった」「体力的に限界を感じた」とストレートに言われると、採用担当として正直「うちでも同じことにならない?」という不安が頭をよぎります。
ただし同じ夜勤がきつくなったという理由でも、応募先によっては問題ない場合があります。
たとえば有料老人ホーム、訪問看護ステーションなど、夜勤がなくオンコール対応で働ける施設への転職であれば、この理由は十分に筋が通ります。
一方「体力的に限界を感じた」という理由は、どこに転職しても看護師として続けられるのかという不安を採用担当に与えやすく、転職理由としてはあまりおすすめできません。
夜勤のない働き方を希望しているのであれば、正直に「日勤常勤として働きたい」と伝える方が誠実です。
夜勤なしの求人を扱っている職場もあるので、それ自体は決してマイナスではありません。大切なのは「なぜその病院ならその希望が叶うのか」をセットで伝えることです。
結婚・出産などライフイベントが理由の場合
ライフイベントを転職理由とする場合、ネガティブなイメージを持たれにくく、おおむね好意的に受け取られます。何か嫌なことがあって辞めたわけではないことが伝わりやすいからです。
具体的に問題ない理由としては以下のようなものです。配偶者の地元に転居したため転職したい、出産を終えて再び働きたくなった、育児が落ち着いてきたのでまた仕事に就きたい、託児所のある病院でないと続けるのが難しい、といった理由は採用担当として十分に納得できます。

ただし一点だけ正直にお伝えします。
建前上「子供を産むな」とは絶対に言えませんし、言うつもりもありません。ただ結婚したばかりで転職活動をしている場合、「すぐに妊娠して休むのではないか」という不安を抱いてしまうのが採用担当の本音です。もちろん妊娠の予定を聞くことはできません。
だからこそ結婚を機に転職活動をしている場合は、自分から今後のライフプランをある程度伝えておくのが賢明です。採用担当が抱きやすい不安を先回りして払拭できると、印象は大きく変わります。
採用担当が「これはアウト」と感じた転職理由の伝え方

転職理由の内容以上に、伝え方で印象が大きく変わることがあります。採用担当として「これはアウトだな」と感じる伝え方を正直にお伝えします。
前の職場の悪口になっている
「あの病院は本当にひどくて」「師長がパワハラで」など、前職への不満をそのままぶつけてくるパターンです。気持ちはわかりますが、採用担当からすると「うちの病院でも同じことを言うのではないか」という不安につながります。
転職理由が途中でコロコロ変わる
最初は「スキルアップのため」と話していたのに、深掘りすると「実は人間関係が…」に変わるケースです。話に一貫性がないと、本当のことを話していないのではないかという印象を与えてしまいます。
明らかに病院のことを調べていない
「御院が第一志望です」と言いながら、病院の特徴や理念を何も知らない。転職理由と志望動機がつながっていない状態です。
転職理由が他人任せで終わっている
「転職サイトの担当者に勧められたので」だけで終わり、自分の言葉で理由を語れないパターンです。採用担当としては「本当にうちに来たいの?」という疑問が残ります。
ネガティブな理由だけで終わっている
退職理由の不満だけを話して、転職理由につながっていない。前章でもお伝えした通り、退職理由と転職理由はセットで語れて初めて完結します。

不満だけで終わってしまうと、採用担当の頭には「で、なんでうちなの?」という疑問だけが残ります。
転職理由を整理する前にやること
面接をしていて「この人は転職理由がしっかり整理できているな」と感じる人には共通点があります。

応募先の病院の機能や役割をきちんと理解していることです。
そのうえで自分のキャリアと照らし合わせて「この病院だから自分のやりたいことができる」「自分の過去の経験を活かして貢献できる」をしっかり説明できる人は、採用担当として率直に「ぜひ来てほしい」と思います。
つまり転職理由を整理する前にやるべきことは、自己分析と応募先の病院研究をセットで行うことです。自分が何をやりたいのか、どんな経験をしてきたのかを整理した上で、応募先の病院と重ねていく。この作業なしに転職理由だけを考えても、面接で中身のある言葉は出てきません。

自己分析のやり方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ

転職理由は「何を言うか」より「どう伝えるか」で印象が大きく変わります。
採用担当として何百人もの面接をしてきた中で感じるのは、転職理由がしっかり伝わる人には共通点があるということです。
退職理由だけで終わらせていない。前の職場への不満や辞めたい理由をポジティブな転職理由につなげて、セットで語れている。そして応募先の病院のことをきちんと調べた上で「なぜこの病院なのか」を自分の言葉で説明できている。

この2つが揃って初めて、採用担当の心が動きます。
転職理由は面接の直前に考えるものではありません。応募先の病院の機能や役割を理解して、自分のキャリアと照らし合わせてから初めて作れるものです。
転職活動を始める前にまず自己分析をして、応募先の病院研究をセットで行う。その準備が、面接での転職理由に説得力を生みます。

転職理由って、正直に言えばいいってわけじゃないんだね。

そう。正直さは大事。でも採用担当が聞きたいのは『なぜうちの病院なのか』という答えなんだよね。そこまでセットで話せると、ぐっと印象が変わるよ。




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