「登録した瞬間に電話が鳴り始めて、1日に何回もかかってくる」
「断ったのに、半年後にまた知らない番号から電話が…」
看護師の転職サイトに登録して、こんな経験をした人は多いと思います。
この記事を書いている私は、以前は看護師転職サイトのコーディネーターとして働いていました。つまり、あの「しつこい電話」をかけていた側の人間です。そして現在は病院で看護師の採用担当をしています。紹介会社から看護師を紹介される側の立場です。

送り出す側と受け入れる側、両方を経験したからこそ話せる「しつこい電話の裏側」を全部お伝えします。
看護師の転職サイトが「しつこい」と言われる本当の理由
登録した瞬間に電話がかかる理由
「登録してすぐに電話が来てびっくりした」という声はよく聞きますが、これはそのコーディネーターが特別しつこいわけではありません。登録があった瞬間に電話をかけるのが、転職サイトの社内ルールです。
私がコーディネーターをしていたときも、登録通知が来たらすぐに電話をかけていました。これは今も変わっていないようで、採用担当として紹介会社のコーディネーターと話していても「登録直後にすぐ架電しています」と普通に言われます。
しかも1回で終わりません。私の場合、登録があった日は少なくとも3回は電話をかけていました。登録が入った瞬間、日勤帯が終わるだろう時間、そして自宅に着くであろう19時頃。なぜここまでやるかというと、登録した看護師は他社の転職サイトにも同時に登録している可能性が高いからです。先に繋がった方が有利なので、とにかくスピード勝負でした。
経歴が良い看護師ほどしつこくされる
登録した全員に同じ熱量で電話しているかというと、実はそうではありません。
経歴がきれいで、どの病院でも欲しがるような看護師には特にしつこく連絡していました。こういう人は確実に他社にも登録しているので、先に繋がらないと取られてしまいます。
逆に、条件が厳しすぎたり、希望がかなり限定的で「決まらなそうだな」と感じる人には、正直なところ追いかけるテンションが下がっていました。成約に繋がる可能性が高い人に時間を使いたいのがコーディネーターの本音です。
つまり、しつこく電話されているなら、それはあなたの市場価値が高いということでもあります。
繋がらなくても追い続ける期間
繋がらなかったとしても、最低3日間は1日3回以上のペースで電話し続けていました。その後は週1回程度に頻度を落としますが、最長で1ヶ月ほどは追い続けます。
さらに、私がいた会社では半年に1回、過去に登録はあったけど繋がらなかった人たちに片っ端から電話をかけ直す作業がありました。全ての転職サイトが同じかはわかりませんが、こういった「掘り起こし」をしている会社がある以上、一度登録すると忘れた頃に電話がかかってくることがあります。
1人あたり約100万円の紹介料が背景にある
転職サイトがなぜここまで必死になるのか。その根本的な理由はお金の仕組みにあります。
看護師転職サイトは、看護師を病院に紹介して入職が決まると、病院側から人材紹介手数料を受け取ります。相場は年収の20%前後。看護師の年収が450万〜500万円だとすると、1人紹介するだけで約100万円です。
看護師側は一切お金を払いませんが、裏ではこれだけの金額が動いています。だからコーディネーターは1人でも多く成約させたいし、そのためにインセンティブ目当てで電話もしつこくなるわけです。
病院がどうやって看護師を採用しているのか、転職サイト経由と直接応募で何が違うのかは、こちらの記事で詳しく書いています。

手数料が高い病院ほど強引に勧められる
これは現在の採用担当としての経験です。
私の病院では通常、紹介手数料を年収の20%に設定していますが、看護師がどうしても足りなかった時期に30%まで引き上げたことがあります。すると、転職サイト側のテンションが明らかに変わりました。紹介件数がぐっと増えたんです。
ただし問題がありました。面接に来てみると、うちは地域密着型の二次急性期病院なのに、明らかに三次救急をやりたい人や、うちにはない機能の看護を希望している人が紹介されてくる。志望動機も曖昧で、「転職サイトに強引に勧められたんだろうな」と感じるケースが多かったです。
結果、その30%の時期に紹介された看護師の定着率は最悪で、2〜3年後にはほとんど辞めてしまいました。本人の希望と違う病院に入職しているわけですから、当然の結果です。

もう1つ正直に書きます。コーディネーター時代、候補者が他社の転職サイトにも登録していた場合、他社の悪口を言って自社に誘導することがありました。もし担当コーディネーターがやたらと他社の批判ばかりしてくるなら、あなたのためではなく自分の成績のためである可能性が高いです。
看護師転職サイトの電話がしつこいときの対処法
曖昧な断り方が一番NG
「ちょっと今は考えてないです」「もう少し様子見します」
この言い方は、コーディネーター側からすると「まだ追える」のサインです。明確に断っていないので、時間を空けてまた連絡しようという判断になります。やんわり断ったつもりが、かえって電話が長引く原因になっているケースは本当に多いです。
もっと言うと、コーディネーターにとって一番やりやすいのは「おとなしくて、こちらの言うことを聞いてくれる人」です。自分の意見をあまり強く言わない人は、こちらが意図する方向に持っていきやすい。逆に自分の考えをはっきり持っている人は、コーディネーターとしては正直やりにくいですが、だからこそ流されずに転職活動ができるとも言えます。
つまり、しつこい電話に対して遠慮してしまう人ほど、コーディネーターにとっては都合が良い相手になってしまうんです。
はっきり断れば電話は止まる
コーディネーター時代、もう追わなくなった候補者には共通点がありました。
「もう転職先が決まりました」と明確に言う人、あるいは「電話をかけてこないでください」とはっきり意思表示をする人です。こちらに敵意を持っている人に対しては、どれだけ説得しても自分のところから転職しようとは思わないので、それ以上の架電はしませんでした。
逆に、他の転職サイトのしつこさに嫌気がさして、私の会社に新たに登録してくる看護師もいました。そういう方には適度な距離感で対応していたので、結局は「はっきり言ってくれる人」の方がお互いにとって良い関係になれます。
次の連絡日時を自分から指定する
これはあまり知られていないコツですが、かなり効果があります。
「今は勤務中で対応できないので、3日後の○時に電話してください」と次の日時を具体的に約束してください。こうすると、コーディネーター側はその日時まで連絡する理由がなくなるので、余計な電話はしなくなります。

採用担当として紹介会社と話していても「この求職者さんとは明日の○時に連絡する予定です」と、次の日時をきちんと決めているコーディネーターが増えています。特に大手ではこの運用が定着しています。
「連絡はLINEのみ」と登録時に伝える
今の看護師転職サイトはほとんどがLINEに対応しています。「連絡はLINEだけにしてください。電話での対応はしたくないです」と最初の段階で伝えれば、きちんと対応してくれます。
電話だとどうしても自分の言いたいことを言えない人もいると思います。文字の方が気持ちを伝えやすいなら、LINEでのやり取りはおすすめです。既読スルーもできるので、電話より心理的な負担が軽くなります。
ポイントは登録した最初の段階で伝えること。後から変更するよりも、最初に宣言する方がスムーズです。
しつこい転職サイトの電話は無視してもいいのか
無視で電話は減るが完全には止まらない
結論から言うと、無視し続ければ電話の頻度は徐々に減っていきます。コーディネーター側も、何度かけても出ない人にいつまでも時間を使っていられないからです。
ただし、先ほど書いたように、私がいた会社では半年に1回、過去に繋がらなかった人に再度連絡する作業がありました。全ての会社がこうしているとは断言できませんが、無視だけでは「完全に止まった」と安心できない可能性はあります。
無視より一言伝える方が確実
コーディネーター時代の経験から言うと、無視されるよりも「もう転職先が決まったので連絡は不要です」と一言もらった方が、こちらも名簿から外す判断がつきます。

無視し続けるのは「まだ転職を考えているのかも」と解釈する余地が残ります。LINEやメールで一言送るだけでも十分なので、はっきり伝える方がお互いにとって早く終わります。
しつこくない看護師転職サイトの見分け方
大手だから安心とは言い切れない
「大手の転職サイトなら対応がしっかりしている」と思いがちですが、採用担当として多くの紹介会社と付き合ってきた感覚では、会社の規模とコーディネーターの質は必ずしも比例しません。
大手は紹介のシステムやフローが整っているので、事務的な処理はスムーズです。ただしコーディネーターの質にはばらつきがあります。
むしろ規模の小さい紹介会社の方が、一人ひとりの求職者に親身に対応している傾向があります。大量の候補者を抱えていない分、一人に割ける時間が多いからでしょう。私自身、転職サイトの規模に関係なく、担当のコーディネーターがしっかりしていれば取引を続けています。
採用担当が信頼する紹介会社の共通点
病院の採用担当として「ここは信頼できるな」と感じる紹介会社には共通点があります。
最初の提案の段階で、すでに病院のことを候補者にきちんと説明した上で「この看護師さんは面接を受けたいと言っています」という状態で連絡してくるんです。中には面接の希望日程まで最初のメールに記載してくる会社もあります。

逆に「まだ候補者にはお伝えしてないんですが、こういうキャリアの人って面接可能ですか?」から始まる紹介会社は、そこから何往復もやり取りが必要になります。この違いは、求職者にとっても大事な判断材料です。
「求人検索型」と「エージェント型」の違い
転職サイトには大きく分けて2つのタイプがあります。
求人検索型は、自分で求人を検索して直接応募するタイプです。コーディネーターがつかないので、しつこい電話はありません。自分のペースで進めたい人に向いています。
求人検索型の代表例がジョブメドレーです。実際の使い勝手や注意点はこちらでまとめています。

エージェント型は、コーディネーターが求人を紹介してくれるタイプです。手厚いサポートがある反面、電話やLINEでの連絡が多くなります。
エージェント型でよく名前が挙がるレバウェル看護については、電話がしつこいと言われる理由と止め方を個別にまとめています。

「しつこい電話が絶対にイヤ」という人は、求人検索型を選ぶか、エージェント型でも最初にLINEのみの対応を希望すれば、ストレスをかなり減らせます。
まとめ
看護師の転職サイトがしつこいのは、登録直後の即架電ルール、コーディネーターのインセンティブ、そして1人あたり約100万円の紹介料が背景にあります。
仕組みを知っていれば対処はそこまで難しくありません。はっきりと意思表示をすること、次の連絡日時を自分から決めること、LINEのみの対応を最初に宣言すること、無視するより一言伝える方が確実に止まること。この4つを覚えておけば、しつこさに振り回されることはなくなります。

元コーディネーターで現役の採用担当だからこそ言えますが、転職サイトは「使い方」次第です。自分のペースで上手に活用してください。
転職サイトを使うかどうか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。



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