
「……また『お見送り』のメールが来た。面接ではあんなに盛り上がった気がしたのに、何がいけなかったんだろう?」

不採用の理由って、基本的に本当の理由までは伝えませんが、人事が『あ、この人はナシだな』と確信する瞬間はあります。
これまで数えきれないほどの看護師面接に立ち会ってきましたが、看護師さんが面接で落ちるのには、必ず明確な理由があります。
一般的な転職サイトでは「身だしなみが……」「逆質問が……」なんてことが書かれていますが、現場の感覚はもっとシビアです。
特に中規模の二次急性期病院などで採用を担当している立場からすると、教科書通りのマナーよりももっと大事な「決定打」があるんです。
今回は、ネットには絶対に出てこない「人事が見送りを決める本当の基準」を、採用担当側の本音としてお伝えします。
書類選考を通った時点で「内定率90%」
まず、知っておいてほしいのが書類選考を通過して面接に呼ばれた時点で、9割がた合格しているということです。

基本的に面接は「ヤバい人じゃないよね?」チェックで、書類が通過した時点で経験とスキルはOKという認識で面接にお呼びしています。
書類通過=スキルは「合格」のサイン
中規模以上の病院において、人事は非常に多忙です。現場の看護部長も、日々病棟の管理に追われています。そんな中、わざわざ時間を割いて面接の枠を作るということは、「この人の経歴なら、うちで十分やっていける」という認識でします。

つまり、スキルや臨床経験の面では、あなたはすでに「合格ライン」を超えています。
病院側は最初から「採用するつもり」で面接の枠を空けている
「いい人がいたら採用しよう」ではなく、病院は常に「一刻も早く、いい仲間に来てほしい」と切望しています。面接のセッティングには、人事の工数、看護部長のスケジュール調整、会議室の確保など、多くのコストがかかっています。
最初から落とすつもりで呼ぶことは100%ありません。人事は、あなたが部屋に入ってきた瞬間「頼むから、いい人であってくれ!」と心の中で願っているほどです。
面接は加点ではなく「致命的な減点」の確認

では、なぜ残りの10%で不採用になるのか。
それは、面接が「いかに自分を凄く見せるか(加点)」の場所ではなく、「一緒に働く上で致命的な問題がないか(減点)」を確認する最終チェックの場所だからです。
90%の合格率を、自ら手放してしまうような「地雷」をどこかで踏んでしまっている。それが、不採用の正体です。
そもそも、その「90%の合格切符」を手に入れるための書類の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。人事がどこを評価しているかを知れば、通過率はさらに上がります。
あわせて読みたい:採用担当が書類審査で見ている「3つのポイント」
人事が「お見送り」を確信する4つのポイントとは?

では、人事が「あ、この人は無理だ」とハンコを押してしまう瞬間とは具体的にいつなのか。私が実際に経験した「お見送り確定」の事例を4つ挙げます。
「現場が苦労する」と直感した瞬間

人事が最も大切にしているのは、既存のスタッフです。
面接中、言葉の端々に傲慢さが見えたり、逆に全く目が合わずコミュニケーションが成立しなかったりすると、人事はこう考えます。「この人が入ったら、病棟のリーダーが教育に苦労するな」「今のチームの輪を乱すかもしれないな」と。
どんなにスキルが高くても、「現場のスタッフに負担をかける人」は、組織を守るために落とさざるを得ません。
逆に、病棟の空気が緩んでる時に「少し軋轢を生んでもいいから厳し目な人が欲しい」なんて理由で採用する時もありますが、基本的に高圧的な人は今の現場を見出しそう・・・採用辞めておこう・・・となる可能性が高いです。
条件の「後出し」でミスマッチが確定
これは本当によくあります。求人票には「夜勤あり」と書いてあり、書類にも納得しているはずなのに、面接の最後になって「実は……夜勤は月1回しかできません」「土日は全部休みたいです」と切り出されるケースです。
もちろん事情はあるでしょう。しかし、面接の場で「後出し」されると、人事は「誠実さがない」と感じます。募集要項という「約束」を守れない人を採用するほど、病院は甘くありません。

これは結構マイナスです。それならそもそも面接してないのに・・・なんて時間を無駄にしてくれるんだ・・・と思ってしまいます。
退職理由が「すべて他人のせい」

今の職場に不満があるから転職するのは、前回の記事で言った通り「正解」です。でも他人のせいばかりにしてる人は印象が悪い・・。
しかし、その理由を語る際に「師長が無能だった」「同僚のレベルが低い」と、100%自分以外のせいにしている姿を見ると、人事は恐怖を感じます。「この人はうちに来ても、何かあれば他人のせいにして辞めるんだろうな」と。
不満をエネルギーに変えるのではなく、ただの「愚痴」として垂れ流した瞬間に、内定は遠のきます。
今の職場への不満を、人事が「それなら仕方ないね、うちで頑張って!」と納得する「前向きな理由」に翻訳するコツは、以下の記事でステップごとに解説しています。
あわせて読みたい:「志望動機がない」看護師さんへ。採用担当が教える内定の作り方
「どこでもいい」という姿勢の露呈
「なぜうちの病院なのですか?」という質問に対し、「家から近いからです」だけで終わってしまったり、病院のHPを一度も見ていないことがバレたりする瞬間です。
人事は「うちじゃなくてもいいんだな」と感じます。条件面の一致は大切ですが、それだけだと「もっと条件のいい病院が現れたらすぐ辞める」と判断されます。

実はこれ結構あります。「うちの病院である理由」が1ミリも感じられない・・・。すこしくらいはHP見たりして、入りたいという意欲を見せてほしいです。
【重要】「病院見学」が実施されなかったら不採用のサイン?

基本的に面接時に希望があれば見学を行っている病院が多いと思います。私が看護師転職コーディネーターをしていた時も、見学をさせてくれる病院がほとんどでした。
不採用の人に、現場の時間は割けない
通常、当院のような中規模病院では、面接の後にそのまま「病棟見学」を行う流れを組んでいます。しかし、面接の途中で不採用が決まった場合、見学をしない場合があります。
なぜなら、見学には現場の師長や主任の手を止める必要があるからです。採用する可能性がない人のために、忙しい現場の貴重な時間を奪うことは出来ません。
見学中止は「即時不採用」の証拠か
もし、事前の案内で見学があるはずだったのに、「今日は時間の調整がつかなくて・・・」「また後日」と濁されて面接だけで帰された場合、残念ながら不採用の確率は99%です。
面接の数十分間で、「この人はうちには合わない」という結論が出てしまったということです。見学を希望しても「今日はちょっと……」と断られたら、それは人事が下した「お見送り」のサインかもしれません。
例外:クラスターなど不可抗力のケース
もちろん、100%不採用とは限りません。本当にクラスターが発生していたり、緊急のオペが入って見学ルートが確保できなかったりする場合もあります。
ただ、その場合は人事が「本当に申し訳ないのですが……」とかなり丁寧に事情を説明するはずです。あっさりと切り上げられた場合は、厳しい現実を受け止める準備が必要です。
エージェントは教えない「不採用」の本当の正体
転職エージェントは、あなたに「笑顔で!」「マナーを守って!」と言います。もちろん間違いではありませんが、それは「不採用にならないための最低条件」に過ぎません。
マナー不足で落とされることは稀
実を言うと、言葉遣いが少し崩れていたとか、お辞儀の角度がどうこうといった理由で落とされる看護師さんは、ほとんどいません。人事はマナー講師ではないからです。
多少緊張して噛んでしまっても、一生懸命伝えようとしていれば、それはマイナスにはなりません。

若い看護師さんで、初めての転職なら緊張するのは当たり前!私は面接前に一旦深呼吸しましょうか。とリラックス出来るように話しかけたりする場合もあります。
お辞儀の角度や、席に座る時の作法など、実は全然気にしていません。しかし清潔感はとても重要です。服装はしっかりとして面接を受けるようにしましょう。
「お辞儀よりも清潔感」とはいえ、やはり最低限の面接マナーや「よくある質問」への準備は欠かせません。面接の基本をおさらいしたい方は、こちらもチェックしておいてください。
あわせて読みたい:【看護師の面接対策】人事はここを見ている!絶対「採用」を勝ち取る攻略ガイド
不採用の本質は「ミスマッチの回避」
不採用の本当の理由は、能力が低いからではなく、「うちの病院とあなたのパズルが噛み合わなかったから」です。
- 「あなたは急性期でバリバリやりたいと言っているが、うちの病棟は今、落ち着いたケアを求めている」
- 「あなたは優しく寄り添いたいと言っているが、うちの現場は戦場のように忙しい」こうした「良し悪し」ではなく「合うか合わないか」のミスマッチを避けるために、人事は不採用という決断を下します。
人事が一番恐れるのは「早期退職」のコスト
病院にとって、看護師を一人採用するのには莫大なコストがかかります。求人広告費、紹介会社への手数料、研修費……。
もし入職して3ヶ月で辞められたら、そのコストはすべてドブに捨てることになります。人事が「お見送り」を出す最大の理由は、「この人は長く続けてくれるだろうか?」という点です。
次は内定を掴むために。お見送り後の「正しい修正法」
もし不採用通知が届いても、必要以上に自分を責める必要はありません。大切なのは、次に向けて正しく振り返ることです。
不採用=人間性の否定ではない
まずはこれだけは覚えておいてください。不採用は「あなたという人間がダメだ」と言われたわけではありません。「今のその病院の状況には、たまたま合わなかった」だけです。

落ち込みすぎて次の面接で暗くなってしまうのが、一番の損失です。
「見学の有無」が弱点を見極める分岐点

自分のどこを直すべきか、見極めるヒントがあります。
- 見学まで行ったのに落ちた: あなたのスキルと現場の相性、または条件の細部でズレがあった可能性が高いです。次は「現場で求められる役割」をより深くリサーチしましょう。
- 見学前に面接で終わった: あなたの「態度」「発言」「矛盾」のどこかに、致命的な減点があった可能性が高いです。伝え方や表情、話の整合性を見直す必要があります。
人事直伝:面接振り返りチェックリスト
次の面接に行く前に、以下の項目をセルフチェックしてみてください。
| チェック項目 | 振り返りポイント |
| 整合性 | 履歴書に書いたことと、口で言ったことが矛盾していなかったか? |
| 謙虚さ | 前職の不満を言うときに、自分にも非がある姿勢を見せられたか? |
| リサーチ | 病院のHPを見て、一つでも「ここがいいと思った」と言えたか? |
| 条件の提示 | 無理な条件を「後出し」で伝えなかったか? |
| 覚悟 | 「この病院で長く働きたい」という意思を、自分の言葉で伝えたか? |
まとめ:不採用は「あなたに合う場所」への通過点

不採用になったのは、あなたが悪いんじゃない。ただ、その病院で働く未来が、あなたにとっても病院にとっても『幸せじゃない』と人事が判断しただけです。
書類を通った「90%の合格率」を逃してしまったのには、確かに理由があるかもしれません。でも、それは修正可能です。
「自分をどう見せるか」ではなく、「どうすればこの病院の役に立てるか」「なぜここでなら長く働けるのか」を、もう一度だけ自分の言葉で考えてみてください。
もし今回「お見送り」になってしまっても、それは次へのステップです。一度立ち止まって、転職活動全体の流れを【2026年最新】現役人事が教える看護師転職の完全ロードマップ|失敗しない手順を徹底解説で再確認してみましょう。あなたに合う病院は必ず見つかります。



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