看護師の履歴書には、学歴・職歴・免許と、応募先を選んだ理由を簡潔に書きます。職務経歴書には、配属先だけでなく、担当した業務やリーダー・プリセプターの経験まで記載してください。勤務先の名前だけでは、どんな看護を経験してきたかが伝わりません。
元・看護師転職サイトのコーディネーター。現在は神奈川県の医療法人で看護師の採用担当として、年間200名以上の面接に関わっているカンタです。私が応募書類で確認している点を、記入例と合わせて説明します。
以下の記入例は書き方を示すためのサンプルです。実際の応募者の体験談ではありません。年月、業務、役割は自分の経験に置き換え、応募先の指定がある場合はその様式・提出方法に合わせてください。
看護師の履歴書と職務経歴書の違い
履歴書は基本情報と経歴を確認する書類、職務経歴書は仕事の中身を伝える書類です。両方が必要かどうかは、応募先の募集要項で確認します。
| 書類 | 主に書く内容 | 採用側に伝えること |
|---|---|---|
| 履歴書 | 氏名・連絡先、学歴・職歴、免許・資格、志望動機、本人希望 | これまでの経歴と応募理由、勤務に関する希望 |
| 職務経歴書 | 勤務先・配属先、病床数、担当業務、受け持ち人数、役割・教育経験 | どんな環境で、何を経験してきたか |
私の病院では、職務経歴書が不足している場合は追加提出をお願いしています。「履歴書を送ったから十分」と判断せず、必要書類を揃えましょう。
様式の指定がなければ、ハローワークの履歴書様式・応募書類作成資料を参考にできます。厚生労働省の履歴書様式には、A4・A3やExcel形式の案内があります。
看護師の履歴書の書き方と記入例
履歴書は、基本項目を読みやすく記入し、志望動機を応募先に合わせて整えます。写真の貼り方や日付・ふりがなの記入も、提出前に確認してください。

日付・ふりがな・連絡先・写真を整える
| 項目 | 書き方と確認点 |
|---|---|
| 日付 | 提出日を記入。郵送なら発送日、持参なら持参日を目安にし、指定があれば従う |
| 氏名・ふりがな | 氏名を正確に記入。「ふりがな」はひらがな、「フリガナ」はカタカナに合わせる |
| 住所・連絡先 | 住所は省略せず、連絡の取れる電話番号・メールアドレスを記入 |
| 写真 | 様式の枠・指定サイズに合わせ、まっすぐ丁寧に貼る。データ提出なら画像の比率や配置を確認 |

写真の切り方が雑だったり、サイズが枠からはみ出していたりする履歴書は、実際に見かけます。私はまず、こうした基本が丁寧に整っているかを見ています。
私としては、写真で余計なマイナス印象を与えないためにも、写真館や証明写真機での撮影を勧めます。自分で用意する場合も、スナップ写真の切り抜きや過度な加工は避け、顔が分かる明るさと落ち着いた背景で整えてください。「自撮りなら必ず不採用」という一律の決まりではありません。
学歴・職歴・免許は正式名称で書く
学歴と職歴は分け、学校名、法人名・施設名を正式名称で記載します。西暦と和暦はどちらでも構いませんが、書類全体で揃えると確認しやすくなります。学歴をどこから記載するかは様式や応募先の指定に合わせ、看護師養成課程の入学・卒業が分かるようにします。
【学歴・職歴の記入例】
学歴
20XX年4月 ○○看護専門学校 入学
20XX年3月 ○○看護専門学校 卒業
職歴
20XX年4月 医療法人○○会 ○○病院 入職
内科病棟に配属
20XX年3月 一身上の都合により退職
20XX年4月 医療法人△△会 △△病院 入職
外科病棟に配属
現在に至る
以上
在職中なら「現在に至る」とし、退職予定を記載する場合は確定している情報だけを書きます。短期間の勤務も省略せず、職務経歴書と年月を揃えてください。詳しい退職理由の伝え方は、後の章で説明します。
【免許・資格の記入例】
20XX年X月 看護師免許取得
20XX年X月 普通自動車第一種運転免許取得
看護師免許の年月は免許証を確認してください。保健師・助産師免許や、応募先の業務に関係する資格があれば、それぞれ記載します。取得見込みと取得済みは区別し、免許番号の記載は応募先の指定を確認します。
志望動機は応募先でできる看護と結びつける
志望動機は、「これまでの経験」「これから取り組みたい看護」「その応募先を選ぶ理由」がつながるように書きます。病院の診療機能や患者層を確認してから整えてください。
私の病院は二次救急の急性期病院ですが、ときどき、当院では扱っていない業務を学びたいと書いている応募者がいます。たとえば高度救急医療を希望していても、応募先でその経験を積めなければミスマッチです。
一方、高齢者の看護を実践したいという希望は、当院の患者層と結びつきます。法人内に訪問看護や有料老人ホームがあるため、将来は在宅看護にも関心があると分かると、法人の特徴と希望が合っていると感じます。
【志望動機の記入例】
内科病棟で高齢患者への看護を経験し、入院中のケアに加えて、退院後の生活を見据えた支援に取り組みたいと考えています。貴院の患者層や退院支援の取り組みに関心を持ち、これまでの経験を活かして働きたいと考え、志望しました。
これは文章の組み立てを示す例です。応募先が実際に行っている取り組みと、自分が経験したことだけを使ってください。訪問看護への関心を書く場合も、法人内の事業や異動制度を確認し、希望すれば必ず異動できるという前提では書かないようにします。

給与、通勤距離、休日を理由に職場を選ぶこと自体は、正直でよいと思います。ただ、私なら履歴書の志望動機には看護の希望や応募先を選んだ理由を書き、条件面は面接でその話になったときに伝えることを勧めます。
志望動機が思いつかないときは、看護師の志望動機がないときの考え方も参考にしてください。
自己PRは簡潔に、勤務制限は事前に伝える
履歴書の自己PR欄が小さい場合、長いエピソードを詰め込む必要はありません。私としては、「責任感があります」「コミュニケーションが得意です」など、強みを簡潔に書き、面接で実際の経験を説明できればよいと考えています。
【自己PRの記入例】
私の強みは、患者さんや周囲のスタッフと丁寧にコミュニケーションを取れることです。
書いた強みについて、「どんな場面で、何をしたか」を話せるようにしておきます。例文が自分に合わなければ、そのまま使わず、自分の強みに置き換えてください。
本人希望欄には、入職するために必要な条件を簡潔に書きます。特に希望がなければ「貴院の規定に従います」と記載できます。
【本人希望欄の記入例】
勤務条件に特別な希望がない場合:貴院の規定に従います。
夜勤に制限がある場合:夜勤は月○回までの勤務を希望します。
曜日に制限がある場合:○曜日は勤務が難しいため、事前にご相談を希望します。
私の病院では、面接前のアンケートで勤務条件を確認しています。夜勤を含め勤務制限のない方を希望する募集では、面接で初めて制限を伝えられると、事前に聞いていた話と違うと感じます。
制限があることを隠す必要はありません。事前アンケートがあればそこで回答し、なければ応募時の連絡や本人希望欄で伝えましょう。志望動機に条件面を長く書くことと、勤務に必要な条件を事前に共有することは、役割が異なります。
看護師の職務経歴書の書き方と記入例
職務経歴書には、勤務先や配属先に加えて、担当した業務と役割を書きます。採用側が知りたいのは、病院名の一覧ではなく、そこで経験した看護です。


職務経歴書なのに、勤務期間・病院名・病棟名だけで、履歴書と同じ内容になっている方を見かけます。書き直しは求めず面接で確認しますが、最初から業務が分かると話を進めやすくなります。
病院・病棟の概要と業務内容、資格・強みを書く
| 項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 勤務先・期間 | 法人名・施設名、在籍期間、雇用形態 |
| 全体の病床数 | 病院全体の病床数。配属病棟の病床数も分かれば記載 |
| 病棟の種別 | 一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟など、自分が勤務した病棟の種別 |
| 自分が配属されていた病棟 | 内科病棟、外科病棟などの配属先と在籍期間。患者層・受け持ち人数も分かる範囲で補足 |
| 業務内容 | 人工呼吸器、点滴管理、認知症患者への対応など、実際に行っていた業務 |
| 取得資格 | 看護師免許や関連する資格の正式名称、取得年月 |
| 自己PR | 自分の強みを簡潔に記載し、具体的な経験は面接で説明できるように準備 |
| 得意な分野・業務内容/実績 | 特に経験を積んだ分野・業務、リーダー・プリセプター経験、担当人数や期間、ラダーの段階など |
担当業務は、まず経験した項目が分かる形で十分です。私なら「人工呼吸器」などの項目が書かれていれば、面接でその経験について話を進められます。「取り扱い経験あり」と一項目ずつ長く説明する必要はありません。
病床数や受け持ち人数は、経験した環境を伝えるための情報です。分からない数字を推測で埋めたり、担当していない業務を書いたりしないでください。受け持ち人数が日によって違う場合は、おおよその範囲と勤務帯を添えます。
リーダー・プリセプター経験とラダーも記載する
私が特に若い看護師の応募書類で知りたいのは、リーダーやプリセプターを経験しているか、ラダーはどの段階かという点です。これらが書かれていると、担当業務に加えて、どのような役割を担っていたかを判断しやすくなります。
【役割・教育経験の書き方】
リーダー業務:20XX年より担当
プリセプター:20XX年度に新人看護師○名を担当
クリニカルラダー:○○病院の院内ラダー○を取得
ラダーは所属先の制度名と段階を記載すると、どの制度での評価かが伝わります。分かる範囲で、段階の説明も短く添えられます。経験がなければ、無理に書き足す必要はありません。
職務経歴書の記入見本
次の見本を土台に、応募先の様式と自分の経験に合わせて整えてください。数字や役割は、実際の内容に置き換えます。
職務経歴書
20XX年X月X日現在 氏名:○○ ○○
■職務要約
○○病院の内科病棟で○年間勤務。高齢患者への看護、点滴管理、入退院支援などを担当しました。リーダー業務とプリセプターを経験しています。
■職務経歴
勤務先:医療法人○○会 ○○病院
在籍期間:20XX年4月〜現在
雇用形態:常勤
全体の病床数:○床
病棟の種別:一般病棟
自分が配属されていた病棟:内科病棟(20XX年4月〜現在)
配属病棟の病床数:○床
患者層:○○、○○の患者が中心
受け持ち:日勤で○〜○名程度
■担当業務
点滴管理、人工呼吸器、認知症患者への対応、入退院支援、患者・家族への説明
■得意な分野・業務内容/実績
得意な分野・業務:○○(実際に経験を積んだ内容を記載)
リーダー業務:20XX年より担当
プリセプター:20XX年度に○名を担当
院内ラダー:○○病院のラダー○を取得
■取得資格
20XX年X月 看護師免許取得
20XX年X月 ○○取得(関連する資格がある場合)
■自己PR
私の強みは、患者さんや周囲のスタッフと丁寧にコミュニケーションを取れることです。
職務要約は、主な勤務先・診療科・経験年数・役割を数行にまとめると確認しやすくなります。履歴書と職務経歴書で、在籍期間や配属先が食い違っていないかも見直しましょう。
たとえば「内科病棟で勤務」だけなら、どんな業務をしていたかは分かりません。そこに受け持ち人数、担当業務、リーダー経験を加えると、私たち採用側が面接で確認する点を整理しやすくなります。
経験が浅い・短期離職・ブランクがある場合の書き方
経歴に不安があっても、勤務歴を省略したり経験を大きく見せたりせず、事実を整理します。書類には簡潔に記載し、詳しい事情は面接で説明できるようにしておきましょう。
経験が浅い場合は、行っていた業務を書く
経験年数が短くても、行っていた業務は書けます。点滴管理、バイタルサイン測定、清潔ケアなど、自分が担当していた内容を記載してください。
未経験の業務をすべて列挙する必要はありません。ただし、書いた内容について、実際にどこまで担当していたかは面接で正確に説明します。経験が浅い方の職場選びは、看護師1・2年目の転職で採用側が確認する点でも説明しています。
短期離職の理由は、面接で詳しく説明する
履歴書の職歴欄では「一身上の都合により退職」と簡潔に書き、詳しい理由は口頭で説明する方がよいと私は考えています。短期離職した勤務先自体を隠す必要はありません。
若い看護師の初めての転職で、大学病院の環境が合わず、二次救急の中規模病院を選ぶという流れなら、職場選びの理由を理解しやすい場合があります。
一方、転職を繰り返し、そのたびに「脳外科をやりたい」「在宅をやりたい」と希望が変わると、今回もすぐに希望が変わるのではないかと気になります。以前の選択で何を経験し、今回は何を確認して職場を選んだかを、自分の言葉で説明してください。
転職回数の見られ方は、看護師は転職回数が多いと不利なのかで詳しく説明しています。このページでは、書類への記載と面接への準備に絞ります。
ブランクは理由が分かるように一言添える
私の場合、ブランクの理由が事前に分かると助かります。たとえば「出産のため退職」と書かれていれば、その後の空白が育児によるものだと理解しやすくなります。
【ブランクがある場合の記入例】
20XX年X月 出産のため退職
20XX年X月〜20XX年X月は育児のため離職
理由は、説明できる範囲で簡潔に記載してください。現在の勤務可能な時間や夜勤の可否は、ブランクの理由とは別に、応募時に共有しておきます。
看護師の応募書類の作成・提出方法とチェックリスト
作成形式も提出方法も、応募先の指定を優先します。指定がなければ、読みやすさと、受け取る側が確認しやすい形を基準に整えてください。

手書き・パソコン作成はどちらでもよい
私の病院では、手書きかパソコン作成かで評価は変わりません。字に自信があり、丁寧に書けるなら手書きで好印象を受けることはありますが、パソコンで作成しても評価が下がることはありません。
手書きなら読みやすい文字と配置、パソコンなら文字の大きさと改ページを確認します。書き間違いや誤字は整えてから提出してください。用紙は指定がなければ、A4を基準にするとまとめやすく、職務経歴書は内容に応じて1〜2枚程度を目安にできます。文字を小さくして無理に一枚へ詰め込む必要はありません。
メールは指定形式を確認し、読みやすいファイルで送る
WordやExcelなどの形式が指定されていれば、その指定に従います。指定がなければ、レイアウトを保ちやすいPDFを勧めます。ファイル名は「履歴書_氏名.pdf」「職務経歴書_氏名.pdf」など、内容と応募者が分かる形にしましょう。

手書きの履歴書をスマホで撮影し、JPEGで送ってくる方もいます。それだけで見送りにはしませんが、私の場合は几帳面さに欠ける印象を受け、マイナスの印象から始まります。提出前に、読みやすく整えるひと手間をかけてほしいです。
紙の書類をデータにするなら、スキャナーやスキャン機能で、傾き・影・切れがないかを確認します。PDFにしただけで読みやすくなるわけではないので、実際にファイルを開いて全ページを見直してください。
【応募書類を送るメールの例】
件名:看護師応募書類の送付/○○ ○○
○○病院
採用ご担当者様
お世話になっております。看護師求人に応募いたします○○ ○○と申します。
ご案内いただいた履歴書と職務経歴書を添付いたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
氏名:○○ ○○
電話番号:○○
メールアドレス:○○
郵送は宛先・同封書類・送付状を確認する
A4の書類を折らずに送るなら、角形2号などの封筒を使うと収めやすくなります。白封筒は選びやすいですが、色だけで合否が決まるものではありません。書類をクリアファイルに入れ、宛名・郵便料金・締切を確認します。
送付状には、応募する職種と同封した書類を簡潔に記載します。病院や部署宛なら「御中」、担当者個人宛なら「様」とし、両方は付けません。
【送付状の例】
20XX年X月X日
○○病院 採用ご担当者様
住所:○○
氏名:○○ ○○
電話番号:○○
応募書類の送付について
貴院の看護師求人に応募いたしたく、下記の書類をお送りいたします。
ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
記
履歴書 1部
職務経歴書 1部
以上
提出前に確認すること
- 応募先の様式・提出方法・必要書類・締切に合っている
- 日付、氏名、ふりがな、連絡先を確認した
- 写真の大きさ・貼り方・データの配置が整っている
- 履歴書と職務経歴書の年月・勤務先・配属先が一致している
- 担当業務、リーダー・プリセプター経験、ラダーを実際の経験に沿って書いた
- 志望動機が応募先の診療機能・患者層と合っている
- 勤務の制限や、入職に必要な条件を事前に伝えた
- 添付ファイルや同封書類に不足がなく、誤字・表示崩れも確認した
提出する書類の控えを残し、面接で同じ内容を説明できるようにしておきます。面接の準備は、看護師の面接対策へ進んでください。
応募書類や応募先選びに迷ったときの相談先
記入例を自分の経験に置き換えても迷う場合は、応募先との相性も含めて相談できます。書類を整えることと、経験・勤務条件に合う職場を選ぶことを一緒に考えてください。
迷っていてどこから始めればよいか分からない方や、ブランクがある方には、私はナース専科 転職をまず候補に勧めています。幅広い年代・職場の採用に関わる中で、基本の一社として考えているためです。
ナース専科は公式に、キャリア相談・書類添削・面接対策を案内しています。特徴はナース専科 転職の記事で確認できます。
20代や初めて転職する方には、レバウェル看護も候補になります。私が採用担当として見ている範囲では、レバウェル看護経由の応募は20代が特に多いと感じています。公式にも、選考前の履歴書添削と面接対策のサポートが案内されています。
利用を考える方は、レバウェル看護の特徴と連絡方法の整え方を確認してください。30代はナース専科を基本に、20代寄りの転職状況ならレバウェル看護との併用も候補です。40代以上はナース専科を基本の候補としています。
添削だけを必ず受けられるという案内ではありません。転職支援の中で、どの書類をどこまで確認してもらえるかを担当者に相談してください。登録時には、希望する連絡方法と時間帯も伝えておきます。
直接応募を進めたい場合は、ハローワークの職業相談窓口でも応募書類の添削アドバイスを受けられます。自分に合う相談先を選んでください。
公式情報の確認日:2026年10月13日
参考:ハローワーク「履歴書・職務経歴書の書き方」、ナース専科公式、レバウェル看護「ご利用の流れ」

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