保育園への転職を考えているなら、まず確認したいのは、保育業務への参加、看護師の相談体制、給与と勤務時間です。「子どもが好き」「夜勤をなくしたい」という希望に合っていても、この条件が分からないまま選ぶと、入職後に戸惑います。
小児科経験がなくても応募できる求人はあります。ただし、応募できることと、入職後に無理なく働けることは別です。これまでの経験で対応できる業務と、教えてもらう必要がある業務を整理して、求人を比べてください。
元・看護師転職サイトのコーディネーター。現在は神奈川県の医療法人で看護師の採用担当として、年間200名以上の面接に関わっています。カンタです。
コーディネーター時代に園長から聞いた実体験と、保育園から病院に戻る方の採用で確認していることをもとに、転職前の注意点を説明します。
保育園看護師への転職は、仕事内容と生活の希望が合うかで考える
保育園は、子どもの成長や日々の生活に関わりながら、健康を守る仕事です。病棟で行っていた処置や看護技術を、そのまま同じ頻度で続けられる職場とは限りません。
| 転職でかなえたいこと | 保育園の求人で確かめること |
|---|---|
| 子どもと関わる仕事がしたい | 健康管理だけでなく、食事や午睡など日常の保育にも関わるか |
| 夜勤をなくし、生活リズムを整えたい | 日勤のみか、早番・遅番があるか。院内保育所などは夜間勤務の有無も確認 |
| 休日を家族と合わせたい | 土曜勤務、行事の出勤、振替休日の取り方 |
| 看護の経験を生かしたい | 健康観察や感染症対策など、看護師に任される仕事と相談先 |
| 将来は病院に戻る可能性がある | 病棟業務から離れる期間と、復帰先で受けられる教育・フォロー |
子どもと日常的に関われることや、日勤の働き方を選べることは魅力です。一方で、病棟で日々行っていた手技から離れること、同じ職種の相談相手が少ない職場もあることは、転職前に考えておきたいデメリットです。
「夜勤がないから楽そう」で決めるより、自分が変えたい勤務条件と、続けたい仕事内容を分けて考えるほうが、求人を絞りやすくなります。
保育園看護師の仕事内容|健康管理と保育の割合は園で違う
同じ保育園看護師でも、健康管理を中心に担当する求人と、クラスに入って保育にも関わる求人があります。職種名だけで仕事内容を判断しないでください。

健康観察や感染症対策も、看護師の専門性を生かす仕事
子どもの健康観察、発熱やけがへの対応、感染症予防、保護者への健康に関する情報提供などに関わります。保健計画や保健だよりの作成、健診の準備を担当する園もあります。
保育所保育指針では、子どもの体調変化や感染症、アレルギーへの対応で、配置された看護師等の専門性を生かすことが示されています。治療のための処置が少なくても、看護の仕事がなくなるわけではありません。
子どもの体調が変わったときは、園長や保育士、保護者と情報を共有し、必要に応じて嘱託医やかかりつけ医につなぎます。医療的ケア児を受け入れる園では、医師の指示や個別の計画に基づくケアも担当する場合があります。
「保育補助あり」は、具体的な業務まで確認する
求人票に保育補助と書かれていたら、食事の介助、おむつ替え、午睡の見守りなど、どこまで担当するのかを確認します。掃除や行事準備の分担も園によって違います。
保育所には、看護師等を1人に限って保育士の配置人数に算入できる特例があります。「みなし保育士」と呼ばれることもありますが、看護師資格が保育士資格に変わる制度ではありません。自分がその配置に含まれるのかも、応募先に確認してください。
園長から聞いた、役割の線引きで困った話
人材紹介のコーディネーターをしていたとき、園長から直接聞いた話です。看護の仕事には対応する一方、保育士の仕事として区切った業務には協力しない看護師がいて、園長は扱いにくさを感じているという内容でした。
これは、その園長から聞いた一例です。「保育園看護師は使えない」という評価を、職種全体に当てはめる話ではありません。園が期待する仕事と、看護師が担当するつもりの仕事が違っていたことに注目してほしいです。
もちろん、業務範囲を確認すること自体が悪いわけではありません。保育業務が集中して健康管理の時間を確保できないなら、分担の相談が必要です。入職前に仕事内容を具体的にすり合わせておくと、双方の戸惑いを減らせます。
小児科経験なし・保育園未経験でも転職できる?
小児科経験や保育園勤務を必須にしていない求人なら、未経験でも応募できます。ただし、「保育園未経験可」が「臨床経験も不要」という意味とは限りません。
レバウェル看護の公式情報にも、小児科経験を必須にしていない園には応募できると説明されています。実際の応募条件は、必要資格、臨床経験、担当する子どもや業務内容まで確認してください。
保育園未経験なら、応募条件と入職後の支援を確認する
未経験可の表示があっても、仕事を教える担当者や、判断に迷ったときの相談先までは分かりません。「入職後は誰から業務を教わるのか」「看護師が1人になる時間帯はあるのか」を聞いてみてください。
乳幼児の体調変化や保護者への説明に不安があるなら、その点を応募前に伝えて、研修や相談の仕組みを確認します。医療的ケアがある求人では、必要な手技の経験も別に確かめます。
面接では、以前の職場で担当した業務を具体的に伝える
小児科経験がない場合も、以前の病棟で行っていた健康観察、体調変化への対応、家族への説明など、自分が経験した業務を整理します。保育園で同じ方法がそのまま使えるとは限りませんが、経験を伝える材料になります。
「何でもできます」と広げる必要はありません。経験があることと、入職後に学びたいことを分けて伝えてください。職歴の整理には、看護師の履歴書・職務経歴書の書き方も使えます。
保育園看護師の求人で、応募前に確認したい条件
求人を比べるときは、月給や休日だけでなく、毎日の担当業務と、困ったときの支援まで確認します。同じ条件で各園を見比べると、自分に合う違いが見えてきます。
| 確認する条件 | 園や担当者へ聞く内容 |
|---|---|
| 看護と保育の分担 | クラスに入る時間、担任の有無、掃除・行事準備の範囲、保健業務に使える時間 |
| 看護師の人数と相談体制 | 同じ職種への相談先、園長・嘱託医との連携、休みや欠勤時の対応 |
| 入職後の教育 | 業務を教える人、引き継ぎ、研修、未経験の業務を覚える方法 |
| 医療的ケアの有無 | 対象となるケア、求められる経験、医師の指示・研修・代替体制 |
| 給与と賞与 | 基本給・手当の内訳、賞与の条件、現在の夜勤手当込みの年収との差 |
| 勤務時間と休日 | 早番・遅番、土曜勤務、行事出勤、残業、振替休日の取り方 |
保育園看護師の給料は、夜勤手当込みの病棟年収と分けて比較する
現在の病棟収入に夜勤手当が含まれているなら、保育園の日勤の条件と月給だけで比べないでください。賞与や手当も含めた年収と、勤務時間・休日を並べて判断します。給与には地域や運営法人による違いがあります。
自分の地域と雇用形態に合う求人で、生活に必要な収入を確保できるかを確認しましょう。月給に含まれる手当や、賞与の算定条件まで分かると、転職後の収入を考えやすくなります。
見学では、看護師の1日の流れを聞いてみる
「保育補助は少なめです」といった説明だけでは、実際の働き方を想像しにくいです。朝の受け入れから降園まで、看護師がどこで何を担当するのかを聞いてみてください。
相談先も「園長に相談できます」で終わらせず、体調変化で判断に迷った場面では誰に連絡するのか、休みのときは誰が対応するのかまで確認します。
保育園看護師の転職サイト・求人の探し方
保育園の求人を探す方法は、看護師の転職サイト、園・運営法人の採用ページ、ハローワークなどです。紹介会社を利用する場合も、気になる園の直接募集を合わせて確認できます。
どこから探すか迷うなら、ナース専科 転職を相談先の候補に
私のおすすめの考え方では、転職先や探し方が決まっていない方には、まずナース専科 転職を相談先の候補にしています。保育園だけに決めきれていない場合も、希望の働き方を伝えて候補を相談できます。
登録時は「保育園の求人を探したい」に加えて、通勤できる地域、給与の希望、保育業務への参加が可能な範囲、小児科経験の有無を伝えてください。紹介できる求人は地域や時期で変わるため、希望条件の求人があるかは個別に確認が必要です。
20代・初めての転職なら、レバウェル看護も比較候補
採用担当として見ている範囲では、レバウェル看護経由の応募は20代が特に多いと感じています。20代で初めて転職する方には、レバウェル看護も候補にしています。これは私の採用現場での実感で、保育園への採用されやすさを示すデータではありません。
レバウェル看護には保育園の求人特集があります。自分の地域にある求人と、未経験の業務への支援を確認し、条件を比較するために使ってください。複数社への登録が必須というわけではありません。
求人票にない条件は、確認してから応募する
紹介会社の担当者には、前の表の項目を園へ確認してもらいます。特に、保育業務の範囲と相談体制は、紹介された求人票を読むだけで済ませないでください。
どの紹介会社も電話連絡が来る前提で、希望する連絡方法と時間帯を登録時に伝えておきましょう。やり取りを続ける中で、合わない求人の条件も具体的に伝えると、次の候補を相談しやすくなります。
保育園看護師の志望動機は、関わりたい仕事まで伝える
「子どもが好き」という気持ちに、健康管理や保育への協力など、担当したい仕事を加えると、園も役割を相談しやすくなります。未経験の部分は、経験があるように書かず、学びたいこととして伝えてください。
書き方の型は、「保育園を選ぶ理由 → 実際に経験した業務 → 応募先で関わりたい仕事 → 教えてもらいたいこと」です。応募先の仕事内容に合わせて組み立てます。
例えば、志望動機の一部分として「子どもの日常の健康を支える仕事に関わりたいと考えています。保育士の方と協力しながら、園の健康管理や感染症予防の方法を学びたいです」と伝えられます。これは表現例で、実在する応募者の体験談ではありません。自分の経験と応募先の業務に合わせて直してください。
面接では、保育業務への参加についても確認します。クラスに入る求人なら、自分が想定している仕事内容を伝え、園の説明と合っているかを確かめます。詳しくは志望動機が思いつかないときの考え方も参考にしてください。
将来、保育園から病院に戻る可能性があるなら
病院への復帰を考えている人は、保育園へ移る前に、病棟での業務から離れることも考えておきたいです。ただし、保育園での勤務年数だけで、病院への採用が決まるわけではありません。

病院を離れて約5年は、私たちが慎重に確認する目安
私と看護部長の間では、病院を離れて5年くらいになると、病棟への復帰について少し慎重に確認しようという感覚があります。私たちの採用経験上の目安で、研究などのエビデンスはありません。全国共通の採用基準でもありません。
5年以上なら採用しない、という意味ではありません。以前の経験と、今どの業務に不安があるかを聞き、復帰後に必要な支援を考えます。
以前の病棟で、何を経験していたかを深掘りする
私たちの面接では、手技の確認と合わせて、以前いた病棟の種類、担当していた患者さん、行っていた業務を詳しく聞きます。看護部長とも、以前この病棟でこういう業務をしていたなら、少し間が空いていても対応を考えられるね、という話をします。
保育園で働いた期間を、そのまま病棟経験の年数として考えることはできません。一方で、保育園での健康管理や保護者対応の経験まで、なくなったものとして扱う話でもありません。
自信がない業務は、復帰先のフォローを確認する
私が勤務する病院では、ブランクがあり自信がない方に、面接時に「フォローするので大丈夫です」と案内しています。以前の経験を聞きながら、不安なところや再確認したい業務を話してもらいます。
支援の方法は病院によって違います。復帰先では、中途入職者への教育や、病棟から離れていた人へのフォローを具体的に確認してください。準備については看護師のブランク復職に向けた職場選びと準備にまとめています。
保育園への転職は、担当業務と支援が分かる求人を比べる
保育園が気になっているなら、まず通勤できる地域で、希望の給与・勤務時間に合う求人を探してみてください。そのうえで、保育への参加範囲と、未経験の業務を教えてもらえる体制を確認します。
担当者へ相談するときは、「保育園で働きたい」とだけ伝えるより、「保育補助の範囲と、看護師が1人のときの相談体制も確認してから応募したい」と伝えてみてください。この記事の比較表を、そのまま確認項目として使えます。
公的情報・公式情報の確認日:2026年10月13日。募集条件は変更されるため、応募時点の求人票と園の説明で確認してください。
- 厚生労働省:保育所保育指針(第3章・健康及び安全)
- 内閣府:保育所における看護師等の配置特例の乳児在籍人数要件撤廃
- レバウェル看護:保育園看護師の仕事内容・必要なスキル(確認日:2026年10月13日)
- レバウェル看護:保育園の求人特集(確認日:2026年10月13日)



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